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示談交渉の登場人物
交通事故の示談交渉には思った以上にたくさんの利害関係者が登場します。保険屋さんだけでも、人身担当、物損担当、車を見に来るアジャスターと三人も登場します。その他に修理工場の人もいますし相手方にも同数の登場人物がいます。
物損の示談であれば、このうち①自分の保険会社の物損担当、②相手の会社の物損担当、③相手本人と④自分の4名が納得しないと示談成立にはなりません。これ見落としがちなので注意。無制限の保険に入っていても保険屋さんが無制限に支払ってくれる訳ではありません。
そして、この4者の交渉は図の様になります。間に各保険会社の担当者をはさんで伝言ゲームのように行われます。
事故状況に食い違いがなければ、最初に保険会社同士が相談し、だいたいの示談案ができます。この辺はお互いプロですので割と簡単に決まります。もちろん自分も相手も異存無ければスムーズに示談です。
ところが、過失割合や車両の修理代、時価額など納得いかない事があれば、交渉しなければいけません。
相手の示談担当者の上司の存在を考える
一つ目のポイントです。誰と交渉すれば良いのでしょうか。相手でしょうか、相手の示談担当者でしょうか。
厳密にいうと自分の保険会社の担当者を経由して、相手の保険会社の担当者と交渉する事になります。
しかし、ほとんどの場合、この担当者というのは決済権限がありません。最終的な示談には上司の決裁が必要になります。財布のひもは上司が握っているのです。
つまり、上司が決済しない内容の示談は出来ないという事です。最初に提示された条件が自分の主張と大きく違う場合は、特に気をつけなければいけません。
担当者に電話で直接主張をぶつけるよりも、担当者がそのまま上司に見せても大丈夫なレベルの資料を書面で作りましょう。 きちんと法的根拠と物証を押さえた資料を作れば、大きくひっくり返す事も可能です。
書面での資料の作り方はそれだけでブログ一個できてしまいますので、近いうちに書きます。
今回のエントリーで理解して頂きたいのは、「担当者は自分の意志で決定出来ない事がある。」という事です。感覚的には担当者と一緒に、彼の(彼女の)上司を説得する理屈を考えるっていうスタンスが良いと思います。
腹八分目
理論上(?)は過失割合と損害額で賠償金額が決まる事になっています。しかし、少しでも多く欲しいのが人の性。
特に追突事故など自分に全く過失がないと気が大きくなってしまい、なんでもかんでも請求してしまいがちです。
しかし、保険屋さんは、一人当たり200件程度の事故を常に処理しています。無茶な要求はすぐにばれるものです。そして、一度「この人は無茶な要求をしてくるな」と思われてしまうと、本来出るはずの金額もなかなか出ないといった事になりかねません。ホントです。
さらに、示談担当者も人間ですので(しかも同時に200件も抱えている)、揉めずにスムーズに話が進むようであれば、多少融通が利きます。ですから腹八分目で我慢して、なるべく揉めずに話し合いをするようにしましょう。
特に感情的にバトルモードに突入してしまうと、まとまるはずの示談もまとまらなくなってしまうので気をつけましょう。