こんにちは。原付市場です。
お店では毎日その日の事を日報という形で記録しています。
そのなかから、日々どんなことをしているのかご紹介します。
03/18のPIT作業
ホンダ ズーマー(AF58-138xxxx)
症状と依頼内容今回は、ホンダ ズーマー(AF58)が「走行中にエンジンが停止し、その後再始動ができない」という症状で入庫しました。
こちらの車両は、以前当店で長期放置により詰まった燃料系の修理(キャブレターオーバーホール等)を行ったばかりのお客様のもので、再度のトラブル発生となりました。
点検と診断引き取り時点ではセル始動ができないものの、キックでは始動可能でした。店舗に戻り、以下の詳細点検を実施しました。
- バッテリー電圧:11Vと低下しており、セル始動に必要な電圧を確保できていませんでした。前回新品交換済みのバッテリーでしたが、セルを回し続けたことで電圧が低下したと推測され、不良は見られませんでした。
- 充電電圧:アイドリング時12.8V、高回転時13.8Vで、一般的な原付と比べるとやや低め。AC側の電圧も低く、ステータコイルの劣化が疑われました。
- 燃料タンク内部:サビが進行し、抜き取った燃料からもかなりの汚れが確認されました。これにより、燃料ストレーナーが詰まっていた可能性があります。
- 始動不良の原因:店舗では始動は可能でしたが、お客様から始動不良の申告があったため、オートチョークや燃料ラインの詰まり、リレー類の接触不良も考慮し点検。スターターリレー、メインリレーの端子腐食も確認され、交換を推奨しました。
ステータコイルおよび燃料ポンプの交換は高額になるため、お客様と相談のうえ、今回は見送ることとなりました。

- バッテリー充電
- メインリレー、スターターリレー交換
- オートチョーク交換
- 燃料ストレーナー交換
- 燃料タンク交換
以上の整備を実施後、複数回の始動テストおよび試乗を行いましたが、不調は再現せず、正常に走行できる状態へと回復しました。
- 修理代金:¥43,890(レッカー費用含まず)
- 所要時間:60分

今回は再入庫となり、お客様にとってもご不安があったかと思います。当店では、バッテリーや燃料系、電装系の点検を通じて、根本原因の特定と再発防止を目指しました。
ただし、充電電圧の低さや燃料ポンプの劣化については今後不調を引き起こす可能性があるため、その旨をしっかりご説明させていただきました。
当店では、重大な不良を抱えた車両について、不具合を無視して他の修理だけを行うことはいたしません。将来的なトラブルのリスクや、乗り換えのご提案も含めた柔軟な対応を心掛けています。
「修理か乗り換えかで迷っている」「将来の不調が心配」といった方は、ぜひ一度ご相談ください。スタッフが責任を持って対応いたします。