こんにちは。原付市場です。
お店では毎日その日の事を日報という形で記録しています。
そのなかから、日々どんなことをしているのかご紹介します。
04/23のPIT作業
ホンダ PCX(JF56-102xxxx)
症状と依頼内容
ホンダ PCX(JF56)が「走行中にエンジンが停止し、その後再始動できない」という症状で入庫しました。
当店で販売し、定期的なメンテナンスを行っている車両ですが、走行距離が11万kmとかなりの長距離車両です。
点検と診断
過去の整備履歴やお客様の申告内容をもとに、基本点検(三大要素:圧縮、点火、燃料)から着手しました。
- 圧縮: 測定結果は800kPa(規定値は1100kPa)。低めですが、始動不能の直接原因とは言えないレベル。
- 点火: 点火は正常。
- 燃料: 燃料ポンプ作動音は確認できたため、インジェクターの噴射を点検。
インジェクターの噴射確認のため、メットインボックスとリア外装を取り外して点検したところ、噴射がされていないことが判明。
サービスマニュアルに基づき、インジェクターの抵抗値・入力電圧を点検しましたが異常はなし。これにより、インジェクター自体の詰まりが最も疑わしいと判断しました。
インジェクターを取り外し、エンジンコンディショナーに漬け置き後エアブローを行い、セルを回して噴射確認。噴射が復活したため、詰まりによる不具合と確定しました。
一時的には復旧しましたが、再発のリスクを考慮し、インジェクターを新品に交換することを決定しました。
作業内容
- インジェクター交換(Oリング含む)
- 長めの試乗確認

修理代金と所要時間
- 修理代金:¥18,700(レッカー費用別)
- 修理完了までの預かり日数:4営業日
- 所要時間:100分
まとめ
今回のトラブルは、インジェクター内部の詰まりが原因でした。
インジェクター詰まりは滅多に起きない不具合ですが、長期間の放置や、今回のような走行距離11万kmという長寿命車両では発生することがあります。
燃料系統は目に見えにくい部分ですが、長期的に使用すると内部の汚れや堆積物により不調が起こる場合があります。
エンジンが停止する症状は危険を伴いますので、「最近エンジンの調子が悪い」「加速が鈍い」といった兆候を感じたら、早めの点検・整備をおすすめします。
当店では、年式・走行距離を問わず、的確な診断と適切な修理を心がけておりますので、お困りの際はぜひご相談ください。