こんにちは。原付市場です。
お店では毎日その日の事を日報という形で記録しています。
そのなかから、日々どんなことをしているのかご紹介します。
05/27のPIT作業
ヤマハ アプリオ(4JP-577xxxx)
症状と依頼内容
お客様より、オイル漏れに気づいた後、約3km走行してエンジンがストールしたとのご依頼がありました。
その後、しばらく時間を置くと再始動できたとのことです。
点検の結果、クランクベアリングから異音があり、冷間時にしか始動しない状態。
年式も古く部品が無い可能性もあり、修理はお勧めできない旨をご説明しました。
しかし、お客様の強いご要望により、修理をお受けすることになりました。
外装を取り外してオイル漏れ箇所の特定を試みました。
オイルタンクは完全に空で、漏れきっていたため明確な漏れ箇所は確認できませんでした。
タンク本体は経年劣化によりヒビ割れが発生しており、オイルポンプまでのホースも硬化していました。
キャブレターへ接続される細いホースは多少柔軟性が残っている状態でした。
とりあえず少量のオイルを補充してエア抜きを実施。
焼き付き防止のため、プラグホールからもオイルを注入し、圧縮圧力を測定したところ「1300kPa」と異常に高い数値を記録しました。
オイルポンプが正常に作動していることを確認し、ジェネレーターの冷却ファンは割れて破損していました。
この高すぎる圧縮は、焼き付き寸前の状態である可能性が高く、クランクベアリングからの異音も加味すると、エンジン修理は現実的ではないと判断されます。
お客様と相談のうえ、今回は修理を断念する方向となり、すべて元の状態に戻しました。
現在は一応走行可能ですが、再び停止するリスクが非常に高い状況です。
- オイル漏れ点検
- 圧縮圧力測定
- 修理代金:¥9,900(税込)
- 修理完了までの預かり日数:2営業日
- 所要時間:50分
今回のアプリオ(4JP)は、オイル漏れによる潤滑不足が原因で、焼き付き寸前まで進行していた可能性が高い車両でした。
エンジン内部ではクランクベアリングが損傷しており、冷間時のみ始動可能という不安定な状態。
このまま走行を続けると完全にエンジンが停止し、走行不能になるリスクがあります。
交換対象となったオイルタンクやホース類は、年数経過によって劣化する部品です。
特にオイルタンクのヒビ割れは気づきにくく、最悪の場合エンジン焼き付きに直結します。
オイル補給の減りが早い、地面にシミがあるなどの症状に気づいたら、早めの点検をご依頼ください。
当店では軽整備からエンジンオーバーホール(クランクケース分割を伴わない作業)まで、症状に応じた柔軟な対応が可能です。
点検のみのご依頼も歓迎しておりますので、気になる異音や不調があれば、お気軽にご相談ください。