こんにちは。原付市場です。
お店では毎日その日の事を日報という形で記録しています。
そのなかから、日々どんなことをしているのかご紹介します。
11/02のPIT作業
スズキ アドレス125(DT11A-103xxx)
症状と依頼内容始動時に異音が発生することがあるため、点検・整備を行いました。
点検と診断
こちらの車両は当店のレンタルで稼働している車両になります。
点検の結果、スタータークラッチに不良があると判明しました。スタータークラッチはエンジン右側のクランクケースカバー内、ステータコイルの奥に位置しており、交換には右クランクケースカバーの取り外しが必要です。
部品を用意したうえで、スタータークラッチの交換作業に進むこととなりました。
理想的にはエンジンを降ろして作業を行うべきですが、今回はエンジンを降ろさずに以下の手順でスタータークラッチの交換を実施しました。
- エンジンオイルを抜く
- メットイン(シート下収納)取り外し
- リアショック下側のボルトを抜いてジャッキアップ
(この際、プラグキャップやハーネスにテンションがかからないよう注意) - ファンカバーの取り外し
- ファン → フライホイール → ステータコイル一式の取り外し
- 右クランクケースカバーの取り外し、ガスケット除去
- シャフトからロックワッシャーを起こしてナット取り外し
- スタータークラッチの交換
(この際、右クランクケースカバーのオイルシールも交換必須)
所要時間:150分
作業後、始動時の異音は完全に解消しました。
スズキ アドレス125 (DT11A) は、スタータークラッチがエンジンオイルに浸かっている構造のため、オイルの管理状況が悪いとスタータークラッチへの負担が増し、不具合が発生しやすくなります。
今回の異音の原因はオイル管理の問題ではなく、経年劣化によるものと考えられました。新旧のスタータークラッチを比較したところ、スプリングの強さに違いが見られ、これが劣化の一因であった可能性があります。
今後もオイル交換を適切に行うことで、部品寿命の延長が期待できます。同様の症状が発生した際には、お気軽に当店へご相談ください。