こんにちは。原付市場です。
お店では毎日その日の事を日報という形で記録しています。
そのなかから、日々どんなことをしているのかご紹介します。
03/24のPIT作業
ヤマハ JOG(AY01-103xxxx)
症状と依頼内容今回は、ヤマハ JOG(AY01)の販売前整備として、エンジン腰上の分解・点検・整備を実施しました。
現行型のJOGはホンダ製エンジンを搭載しており、今回の車両は腰下(クランク周辺)に不良が見られたため、同型ストックエンジンへ載せ替えることとなりました。
ただし、載せ替え予定のエンジンは約5万km走行している中古品のため、そのまま載せ替えるのではなく、事前に腰上の徹底点検と整備を行います。
点検と診断ストックエンジンは車体からすでに取り外されている状態から作業スタート。まずは冷却水を抜き、ウォーターポンプを取り外して圧縮上死点に合わせました。
続いてヘッドカバー、カムチェーン、カムスプロケットを分解し、シリンダーヘッドとシリンダーを取り外します。
- シリンダーヘッド:カーボンの堆積が酷く、特にエキゾースト側の清掃に時間を要しました。
- シリンダー:内部は状態良好で、クロスハッチ(ホーニング跡)もはっきり残っており問題なし。
- ピストン:インテーク側に縦傷が若干あり、新品へ交換。
- バルブ・スプリング:摩耗や劣化が想定されるため、問答無用で交換を実施。
エンジンコンディショナーに漬け置きしながら丁寧にカーボンを除去。各部品の点検・清掃後、部品が揃ったタイミングで再組み立てを行いました。

- ガスケット類交換
- ピストン一式交換
- バルブ交換(擦り合わせ含む)
- バルブスプリング交換
- バルブクリアランス調整
- ウォーターポンプガスケット交換
- スパークプラグ交換
- エンジン載せ替え
組み立て後、エンジンの始動確認を実施し、異音・吹け上がり・アイドリングともに良好な状態であることを確認しました。
残すは車体側の最終整備となります。
- 所要時間:260分

今回は、走行距離の多い中古エンジンをそのまま使うのではなく、腰上を分解・整備してから載せ替えを行うことで、エンジン寿命の延命と確実なパフォーマンスの確保を目指しました。
古い車両や長距離走行車両は、腰上だけでも点検・整備することで、まだまだ現役で使用できるポテンシャルを秘めています。
当店では、単純な載せ替えではなく、使用するエンジンの状態をしっかり見極めたうえで、最適な整備をご提案しております。
「中古エンジンに不安がある」「載せ替えだけで済むのか心配」という方も、ぜひご相談ください。状態に応じて、必要な整備と最善のプランをご提案いたします。