こんにちは。原付市場です。
お店では毎日その日の事を日報という形で記録しています。
そのなかから、日々どんなことをしているのかご紹介します。
10/06のPIT作業
ホンダ ズーマー(AF58-180xxxx)
症状と依頼内容
「エンジンがかからない」とのことで、新規のお客様よりお電話でお問い合わせをいただきました。
車両の状態を確認すると、キックペダルが15度ほど下がったまま固着しており、スタータースイッチ操作でも反応がない状況でした。
バッテリーは問題なさそうだったため、スタータースイッチ下部の点検穴からパーツクリーナーを吹き付けたところ、セルで始動に成功。異音もありませんでした。
ただし、キック機構は完全に固着していたため、分解清掃が必要と判断しました。
お客様のご希望により、今回は「点検とキック始動ができる状態への整備」を優先して作業を進めることになりました。
点検と診断
駆動系カバーを開けたところ、内部はダストだらけで水没の形跡もありました。
キックギアおよびスプリングには錆が多く見られましたが、清掃とグリスアップで復活可能と判断。
ドライブベルトとウエイトローラーは劣化が進んでおり、交換をご案内しました。
その他、冷却水のリザーブタンクが空で、オイル交換もご希望いただいたため、あわせて作業を実施。
点検中にヘッドライトのロービームが点灯しないことが判明したため、バルブ交換を行い正常に復旧しました。
リザーブタンクにはヒビがあり、補充しても半分以上漏れてしまう状態でした。
部品を新品に交換し、ラジエターホースもあわせて交換して冷却水を補充。
フロントブレーキは遊びが大きかったため、軽く調整を行いました。
- スタータースイッチ簡易清掃
- 駆動系整備(ドライブベルト・ウエイトローラー交換/キックレバー動作改善)
- エンジンオイル交換
- 冷却水リザーブタンク交換・補充
- ヘッドライトバルブ交換(ロービーム)
- フロントブレーキ調整
- 修理代金:¥22,000(税込)
- お預かり日数:2営業日
- 作業時間:80分
今回は、キック機構の固着を中心に、駆動系・冷却系・電装系の総合メンテナンスを行いました。
内部のサビや汚れが多く見られましたが、清掃・グリスアップによってキック始動が正常に復旧。
同時に劣化していたドライブベルトやウエイトローラーを交換し、発進時の滑らかさも改善しました。
今回のポイント:
・キック機構の固着は水没やサビが主な原因
・長期間未整備の駆動系はダストで動作不良を起こしやすい
・リザーブタンクのヒビは冷却水漏れの典型的な症状
・電装トラブル(ヘッドライト切れ)も併発するケースが多い
整備後はエンジンの始動性・アイドリングともに安定し、全体的な動作もスムーズになりました。
駆動系や冷却系の点検は定期的に行うことで、故障や焼き付きの予防につながります。
「キックが重い」「始動が不安定」などの症状があれば、早めの点検をおすすめします。