目次
中古原付を買う前に、候補の車種を決めよう
原付市場では4万円から7万円くらいまでの中古原付を販売しています。はじめて中古原付を購入される方も多く、「どの車種がいいの?」という質問をよく頂きます。そこで原付市場のおすすめ中古原付をご紹介致します。
予算で中古原付を選んで頂く場合は、ホンダのスーパーディオをおすすめしています。数も多く¥39,800〜販売しています。また4ストの中古原付であれば、同じく¥49,800〜販売しているホンダのトゥデイがおすすめです。
流通台数はあまり多くありませんが、加速等のパワー重視のお客様にはヤマハの2ストがおすすめです。
燃費や使いやすさを重視される方には、スズキの4スト中古原付がインジェクション搭載でおすすめです。
中古原付を買うならどのメーカーがいいの?
国内の原付メーカーにはホンダ、ヤマハ、スズキの3社があります。実はカワサキでは原付スクーターは生産していません。
それぞれ特徴を見ていきましょう。
価格で選ぶならホンダの2スト中古原付
ホンダの2スト原付は圧倒的なシェアによる流通台数の多さが魅力です。代表的な車種ではスーパーディオとその後継のライブディオが挙げられます。スーパーディオは1990年から1995年くらいに生産されました。もう20年以上経過していますが、エンジンの耐久性は後継のライブディオより高くまだまだ現役で走っています。
原付市場では¥39,800で販売しているため、予算で選ぶのであればスーパーディオがお勧めです。
スーパーディオのエンジンはタクトやジョルノなど同時期の他の車種にも搭載されています。外観や小物入れ等の装備が異なるだけで、エンジンや駆動系は同じです。
ライブディオは1996年から1998年くらいに生産されました。エンジンのベアリングという、交換が非常に大変なパーツが壊れやすいと言われています。エンジンをかけた時にうなるような異音が出ているものは、ベアリングが弱っているので避けた方がいいです。ただ、流通台数も多く、まだまだ現役でたくさんのライブディオが走っています。デザインもスーパーディオに比べスタイリッシュでZXと呼ばれるズポーツグレードは人気が高く盗難上位車種の常連となっています。
価格で選ぶ4スト中古原付もやっぱりホンダ
ホンダの4ストにはキャブレター仕様の車種と、インジェクション仕様の車種があります。キャブレタータイプのトゥデイは流通台数も多く、割と安く購入する事ができます。また、補修部品も多く出回っているので簡単な修理ならネットで部品を購入して直す事もできます。
例えばぶつけると割れてしまう事の多いヘッドライトリム。比較的安く部品を購入できます。ドライバー一本で交換できます。
可能であればインジェクションを選んだ方が良いでしょう。インジェクションタイプのトゥデイはスピードメーターが縦長の楕円形をしています。
こちらはキャブレタータイプのトゥデイAF61型
キャブレタータイプのトゥデイはメーターが丸形です。
そしてインジェクションタイプのトゥデイAF67型
メーターが楕円形です。
2ストにこだわるならヤマハの中古原付
実はヤマハは2ストスクーターにおいては断トツの人気です。2ストの中古原付ならヤマハが一押しです。理由はパワフルで耐久性の高いエンジンと、部品の互換性の高さにあります。メットインがあるヤマハの2ストスクーターは、ほぼ全て3KJ型と言われるエンジンを使用しています。スクーターの場合はミッション部分もエンジンと一体ですから、エンジンからミッション等の駆動系部分まで互換性があります。
古いジョグから2スト最終型のジョグZRエボリューション、さらにはアプリオやビーノまで大部分のパーツに互換性があります。そのため、海外でも人気が高く業者間でも高値で流通しています。
同じエンジンを使用しているヤマハの中古原付
インジェクションならスズキの中古原付が豊富
インジェクション4サイクルであれば、どのメーカーも性能的には大差ありません。ところがスズキの4ストは全てインジェクションのため、流通台数が豊富です。また、レッツ4などは新車価格も10万円前後と安かった為、中古の流通価格もそんなに高くありません。
インジェクションにこだわるならスズキが購入しやすいと言えるでしょう。
2ストと4スト
原付スクーターを大雑把に分類すると、2スト(2サイクル)と4スト(4サイクル)に分ける事ができます。50ccのスクーターであれば、どちらも一長一短です。特にこだわらないという方には、インジェクションの4スト中古原付をおすすめします。
2ストと4ストの詳しい話はこちら
2ストのホンダスーパーディオ 6.8馬力 燃費48.5km/l(30km/h定地走行テスト値)
インジェクションとは
4ストの原付はキャブレターとインジェクションの二つに大別する事ができます。これはエンジンに燃料を送り込む仕組みの違いです。エンジン内部では混合気に火をつけ爆発させています。この混合気というのはガソリンと酸素(空気)を混ぜ合わせ、気化させたものです。
なんだか少し難しそうな感じになってしまいましたが、霧吹きをイメージして頂けると分かりやすいと思います。原付のアクセルを開ける=霧吹きでエンジンにガソリンをプシューってやってるって事です。この霧吹きがキャブレターです。エアフィルター経由で外気から取り込んだ酸素と、ガソリンタンクから送られるガソリンをエンジンに吹き込んでいる部品です。そしてコンピュータ制御の霧吹きの事をインジェクションといいます。
インジェクションの三つのメリット
一つ目は燃費が良くなります。これはコンピューターがエンジンにとって最適な(無駄の無い)混合気を送る事ができるからです。キャブレターは機械式(昔のからくり人形的な感じ)なので、パーツ交換によるセッティングしかできません。
もう一つは多少放置しても動作不良を起こしません。キャブレターの場合は一ヶ月程放置すると、細い通路の中でガソリンがゼリー状に固まってしまいエンジンが掛からなくなってしまいます。とくに春先には「暖かくなってきたから久しぶりに乗ろうと思ったら動かない」という修理がたくさん発生します。キャブレターを分解洗浄しなければ治らないので¥10,000前後の修理代になってしまいます。これを防ぐには週に一回程度エンジンをかけてあげる必要があります。
三つ目は始動性の良さです。キャブレター式の場合、寒い冬の朝等エンジンがかかりにくい事があります。インジェクションでは気圧、気温などをコンピューターが判断して最適な混合気を送ってくれるため、スムーズに始動します。
キャブレターが詰まってしまったトゥデイを復活させてみました
ヤマハのサイトにキャブレターの分かりやすい説明が載っていました
インジェクションのデメリット二つ
一番大きなデメリットは「バッテリーが完全に上がってしまうとキックしてもエンジンがかからない」という事です。コンピューター制御の霧吹きですから、最低限インジェクションのコンピューターが動作するだけの電圧が無いと、エンジンはかかりません。もちろんセルモーターを回す程残っていなくても、インジェクションさえ動いてくれればキックでかける事ができます。
もう一つはコストです。やっぱり機械式のキャブレターよりはお高くなってしまいます。ちなみに原付市場ではインジェクション搭載車両は¥59,800〜(2015/10現在)となっております。キャブレターの4ストは同様に¥49,800〜、2ストは¥39,800〜です。
4ストのホンダトゥデイ(キャブレタ) 3.8馬力 燃費65.0km/l(30km/h定地走行テスト値)
そもそもなんで寒い冬の朝はかかりにくいのか
じつはエンジンにとって酸素とガソリンの混合バランス(混合比といいます)は非常にデリケートな問題です。夏と冬では気温の差によって、一度に送り込まれる酸素の量が変化します。コップ一杯の酸素分子の量を考えてみましょう。夏場は気温が高く空気は膨張しますので、コップ一杯の酸素分子の量は冬場に比べて少なくなります。同様に冬場は同じ体積あたり(コップ一杯)の酸素分子の量は多くなります。
一般的にキャブレターのセッティングは理論値よりもガソリンの方が濃くなる様にしてあります。その方が幅広い状況に対応できるからです。ところが寒い冬の朝は前述した様に酸素の量が増え、ガソリンが薄くなってしまいます。そのため始動性が悪くなってしまうのです。
今度はスズキのサイトにインジェクションの分かりやすい説明が載っていました
4ストのホンダトゥデイ(インジェクション) 4.1馬力 燃費73.0km/l(30km/h定地走行テスト値)