こんにちは。原付市場です。
お店では毎日その日の事を日報という形で記録しています。
そのなかから、日々どんなことをしているのかご紹介します。
06/01のPIT作業
スズキ ZZ(CA1PB-125xxx)
バイクの詳細と依頼内容今回は、スズキのZZをお預かりし、リアブレーキが固着してリアタイヤがロックするという症状で全体的なメンテナンスを承りました。オーナー様からは、リアタイヤの異音がブレーキカムの固着によるものと報告があり、その他のメンテナンスは約4年前に行われ、最高速度は30km/hほどとのことです。タイヤは2年前にガソリンスタンドで交換されたとのことです。
全体的に点検して修理し、大切に乗り続けていただくためのメンテナンスを提案しました。また、シートに破れもありました。
点検と診断まず、固着しているリアブレーキカムの分解を実施しました。マフラーは社外品で、ホイール内にはブレーキダストがたまっており、ブレーキシューはVesrah製でした。ガチガチに固着していたブレーキカムも、加熱することで動くようになり、分解に成功しました。
錆び取りとグリスアップを行い、ブレーキシューを新品に交換しました。ブレーキカムとシューの動きは良好です。ブレーキレバーの戻りが悪かったため、左ブレーキレバーの稼働部分を清掃し注油したところ、正常に作動するようになりました。
エアチェックを行ったところ、前後のタイヤの空気圧がゼロでした。これを規定値に調整しました。スピードメーターのランプが切れており、ゼロスタートでの加速は弱かったものの、キャブやマフラーが詰まっている様子はありませんでした。プラグとエアクリーナーも点検し、タイヤの空気圧が1日経過しても変化がないことを確認しました。
エアクリーナーエレメントの点検では、フィルター表面にかなりの土が付着していましたが、裏面はきれいで、表面を拭いたら再利用可能な状態でした。プラグを外すと非常に固く、正しく装着されていない状態でした。ステップボードを外してプラグホールを目視しながら調整し、新しいプラグを正しく装着しました。
駆動系を開けると、クラッチスプリングの破片がありましたが、壊れている部分は交換済みのようでした。駆動系カバーのボルトが数本欠けていました。エアクリからキャブにつながるホースが裂けていたため、適切に取り付け直しました。
試乗したところ、リアブレーキシュー交換後と比べてパワーが大幅に向上し、スピードも改善されました。シートの張り替え作業もピックアップ済みです。見積もりを作成し、ご案内しました。
概ね見積もり通りに受注し、リアブレーキカムの固着は点検と並行して実施済みで解決しました。以下の作業を行いました。
- シートカバー張替
- スパークプラグ交換(プラグホール修正作業含む)
- フロントタイヤ交換(エアバルブL型指定)
- 駆動系メンテナンス
- キャブレターオーバーホール
新品のクラッチハウジングの内壁は真っ平でした。キャブをオーバーホールし、初速が大幅に改善されましたが、坂を登るパワーには大きな変化はありませんでした。最高速はさらに向上しました。
キャブレターオーバーホールでは、フロートチャンバーに異物は無く、ジェット類の穴も完全に詰まっているわけではありませんでした。エアスクリューを1.75回、アイドルスクリューを0.75回戻しに設定しました。フロートチャンバーガスケット、メインジェット、アイドルスクリューのOリングを新品に交換し、ドレンホースを取り付けました。
スタンドを立てて空ぶかしを行うと、振動でスタンドが滑るほど調子が良くなりました。加速と最高速ともにさらに改善されました。これ以上の改善を目指すには、マフラー交換が必要かもしれません。
見積もりと費用
合計費用は63,800円(税込)となりました。詳細な内訳は以下の通りです:
- 全体点検:10,000円
- リアブレーキシュー交換:2,500円
- スパークプラグ交換(プラグホール修正作業含む):2,000円
- フロントタイヤ交換:10,500円
- キャブレターオーバーホール:10,000円
- 駆動系オーバーホール(ドライブベルト、クラッチハウジング交換):15,000円
- シートカバー張替:8,000円
全ての作業が無事に完了し、オーナー様にもご満足いただけました。リアブレーキの固着が解消され、駆動系のパフォーマンスも大幅に改善されました。今後も定期的なメンテナンスを心掛けて、安全に乗り続けていただければと思います。